2016年1月31日日曜日

【なりきりマインクラフト #2】生き物たち

古賀しげるは、土の壁の隙間から明かりが差し込んできたので、朝が来たのだと分かった。
半分眠った頭で、フラフラと立ち上がり、入口を塞いでいる土を取り除いた。
朝の光が、一気に部屋に入ってきて、まぶしくて目がくらむ。
今日も晴天だった。

モンスターがいないかどうか、恐る恐る周りを確認しながら家の外に出ると、何と!目の前に羊がいた。



 羊毛は、ベッドの上に敷く布団になると思った古賀しげるは、羊の毛を力任せに刈ることにした。
羊の毛は、素手で簡単に刈ることが出来た。

しばらく歩くと、豚が現れた。



丁度、お腹が空いてきたところではあった。
ここに来る前の、古賀が生きてきた世界は、食べ物は加工されて売られていた。
加工されているのだから、生き物を頂いているという実感が薄かったのは事実である。
豚は、豚肉として売られていたため、実際の豚を目の前にして面食らってしまった。
自分が生きるために、食べ物は様々な人によって、食べやすい形で提供されていたことに気付かされた。
ここでは、それを自分でやらなければならないが、流石に生きた豚を食べるのは可哀想だと思った。
だが、背に腹は代えられぬ。
打ち所がよければ気絶するかもしれないと思ったので、試しに、古賀は豚を叩いてみた。
ブーと言って豚は逃げるが、追いかけてバシバシと叩いた。
10発ほど叩いたのちに、豚は豚肉に変わった。
この世界では、豚を倒すと、即豚肉になるようだ。
生ではあったが、食べてみた。
不思議とお腹を壊すことはなかった。

また、ちょっと歩くと牛がいた。
この世界においては、豚と同じように牛も叩くと、牛肉になるのではと思った。



追いかけまわしながら、10発ほど叩くと、牛は、牛肉と革になった。
革は、集めると、革の服や帽子、靴のような防具が作れるのではないかと、古賀しげるは思った。
 身を守るものがあれば、昨日の夜の不気味な声の持ち主に襲われても大怪我することはない
だろうと思った。
と、同時に、どんな世界においても、動物は人間の犠牲になるのだなと、思った。 

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